13.文書の設計と項番付番について

文書や資料の出来の良さや分かり易さは、その構成や編集の出来不出来に大きくかかっている。概して、内容に興味関心を引くアクセントがあり、分かり易い言葉で説明されていること、頭に入りやすい構成となっていること等がその要点だと思う。


ー先ずは全体を俯瞰する
資料や文書を作成したり編集する時に、直ちに作業に取り組まず、全体について見渡すことが重要だ。そうして、
①その資料で何をしようとしているのか
②そのために何を書かねばならないのか
③その論理の展開はどうすれば分かりやすいか
④そのための素材は揃っているか
を考えることになる。


ー目次の設計
③での展開のための文書の大まかな構造を考えてみると述べたが、これは目次を考えることに等しい。最初から詳しい目次など考えられるはずもなく、大まかな流れとその項目名を大項目で付けていくのだ。
大項目とは、1. 2. 3.という付番をし項目タイトルをそれぞれに付ける。もちろん、説明の順番は後で入れ替え自由である。分かり易く順序良く並べるのか、それともインパクトがあるように結論や効果から先に述べるのかは、文書の性質によっても大きく異なるだろう。


ー素材の貼り付け
目次が決まったら、次は集めた素材を目次の項目の中に張り込んで行くことになる。素材が全てデジタル化されていれば、コピーペーストをしていけばいい。
その素材は写真であったり図表であったり、そのPDFだったりワープロ文書だったりだろう。必要事項は、オリジナルの素材は問題無いが、他の資料からの切り貼りであれば出典を必ず資料に明示しておくことだ。実際に使用するときに再び資料を探す面倒は避けよう。


ー素材の配置構成を考え中項目を付番して素材を分ける
1.1, 1.2, 1.3,と付番するのが中項目となる。
もちろん大項目と同様に中項目にも項目タイトルをつけることになる。
大項目と中項目の間に大項目としてのリード文が入ることもあれば、直接中項目が来ることがある。
注意して欲しいのは、大項目にしろ中項目にしろ、項目が二つ以上無いときには番号を振らないことだ。どういうことかというと、大項目が1.を振ったが良いが、2.が無い。また中項目として1.1を起こしたが、1.2はなく次が2.で始まるというケースである。
これは書き起こしていくときによく発生することだ。次の項目を意識して付番したものの、結局は番号を起こすまでのことはなく終わってしまった、というようなケースだ。こんなときは、上位の項目番号の下に付番をせずに文章を付けることになる。


ー相当な分量のときは小項目まで分けることがある
小項目とは、1.1.1, 1.1.2,1.1.3,と言うように表記する。容易に分かるように相当な分量の分類が可能となる。普通は、中項目程度で十分であろう。


ー単なる番号
大項目、中項目、小項目のそれぞれの文章の中で順番をつけて箇条書きしたい場合が起こる。例えば、1),2),3),或いは①,②,③のような付番だ。
これも先に述べたように1)や①だけで番号が終わる付番をしてはならない。
そして特徴的なことは、1.1や1.1.1などの大中小項目番号は、文書中に一回しか登場しないが、1)や①の単なる番号は何度も登場しても構わないことだ。


ー項目番号の付け方やタイトル付けは頭の思考構造が現れる
何度読んでも分からない、話があっち飛びこっち飛びになっている、など文書や資料を目にすることがある。これは冒頭に述べたように最初に俯瞰して文書や資料の設計がされていないからだ。または、最初の設計は良かったものの描き進めるうちに、目次と内容が一致しないことまで書きすぎてしまった場合などだ。
デジタル化の最大の利点は、切り貼りが簡単で、ブロックごとの入れ替えも簡単なことだ。スパゲティのように絡み合ったら、大胆に何度でも入れ替えしてみるべきだ。そんなときに元のデータはちゃんと保管しておくべきで、書いたり消したりしているうちに、大胆に削除してしまって取り返しのつかなくなることがよくある。