桜満願

10時から佐倉市への旅に出かけた。
吉高の大桜。有名だという。そのことは賑わいでわかった。近くは渋滞の列。駐車場から徒歩30分。実に田舎道を歩く。途中、ところどころに小桜。あり。野菜売りあり。ヨモギ饅頭あり。もちろん買う。大勢が向かう列とともにのどかな畑の間を縫う路を歩く。
突然、林の間が切れる。大きな大きな一本の桜の古木に、四方に溢れんばかりの枝と鈴なりの桜。満開。遠めに映るは日立のCMのようなこんもりした大木。
迂回して近づくにつれその巨大さがわかる。
巨木は大きき枝を広げ、手が届くところまで垂れている。直径20mほどに柵がこしらえてあるが、その柵を超えて枝が伸びている。満開の桜の花。満願。
柵の中の地面には菜の花の黄色と大根の花の紫色で覆われている。春の色に覆われて大勢の人々が感嘆の声を上げている。
すばらしい。すばらしい。今日は色の小旅行だ。
駐車場に戻る路で小さな小さな喫茶店に入る。路に連なる庭に組まれた木床で珈琲をすする。なかなかおいしい珈琲である。デッキの周りはチューリップに囲まれている。赤、白、黄、青色に溢れたチューリップの庭。珈琲とともに途中で買ったヨモギ饅頭を食べる。あまり甘くないヨモギたっぷりの自家製。おいしい。手をはたかれながらも2個食べる。
行きに目をつけていたラッキョウを道端で買う。試食するが疲れが飛びそう。ラッキョウも好物の一つ。濃いカレーライスが頭に浮かぶ。目に浮かぶ。
帰りの大渋滞を何とかこなし、遅いお弁当を食べるために佐倉城址公園に。
城址公園の、人が知らない裏山の駐車場に車を止めるが実にひっそり。桜はもう終わりか。と思えば、広場に着けば染井吉野やそのほかの種類の桜で、まだ桜の山であった。日差しが強くなり天気は快晴に近い。
弁当を広げる場所はすぐに見つかる。人は少ないがシートを引いて過ごしている家族ずれはそこそこに。地面には桜の花びらがシートのよう。芝の芽が花びらからのぞいている。
手作り弁当を長閑に食べる。歩いた疲れも飛んでいく。おにぎりに桜が降りかかり、いろどりと味付けをしてくれる。しかし桜餅のような味にはならない。
おにぎりの後は恒例の昼寝だ。ナミ(義妹家族のワンちゃん)と一緒に昼寝だが、彼女は寝る気が起こらないようだ。盛んに草をむしっては吐き出している。遊んでいるのか。薬を食べているのか。
昨日といい、今日といい、2日続けての小旅行。幸せなりなり。