ヨーヨーマ

のアルバムを聴きながら、やや寂しげな空間の中で司馬遼太郎を読んでいた。路は奈良に入っている。この人の書き方は、自分をひきつけてやまない。博学や薀蓄などというものではなく、体内の歴史的体系や教養、それに増したる好奇心、心との対話が、つむぐ糸のように織り交ぜられて伝わってくる。こちらは、そんな土台が無いものだから付いていくのが大変だが、いつも心が洗われ、新鮮な気持ちにさせてくれる。不思議な人だ。
街道をゆくは、何十巻とあるので、当分は自分もいずこかの街道を心の旅としているのだろう。多分半年は。
たまたま、夢枕獏氏の空海物を読み終えたところなので、司馬遼太郎さんの、叡山や近江、奈良の路で登場する仏教との出会いが間を取り持ち、興味深く読み進めることが出来る。
たまたま、先日丸の内に新しく出来た丸善にいってみた。最近はビジネス書、文学書、その次に宗教書のコーナーに行くことを常としているが、その新しい丸善でもそのコースを辿ってみた。4フロアーを使ったなかなかに広いスペースの中に、平日といえどもお客さんが一杯。単なるビジネスマンというより、旅行鞄を下げた人や、リタイヤ後の人、ご婦人方などが多くを占めていた。
さて、宗教書のコーナーであるが、ここも人出が一杯である。特に仏教書の棚には人が多い。若い人も老人も。驚きである。癒しのために人気があるのかわからないが、これまではどうだったのだろうか。自分も最近になって仏教書の棚を見るようになったので、皆、そのようなものだろうか。