拝啓 竹之内響介 様

ダイヤリー 47年目のラブレター、読了いたしました。
大阪に向かうのぞみ車中からです。
昭和の時代と今の時代を何度も往復する時間旅行を、この一週間ほど存分に楽しむことができました。
私は、博多生まれで、この物語の主人公達よりも少し年長者ですが、東京の下町の景色が、自分が過ごした博多の街の景色と重なり合いました。
のぞみに乗る前の、通勤電車で後段を迎えましたが、涙にくれて前に進めなくなってしまいました。本を読みながら涙にくれることはよくあることなのですが、きょうは次をめくると泣いてしまうという思いが先に立ち、頁捲りの手が止まりました。こんなことは初めての経験です。
それがどの部分かは、ご本人には分かりですよね。
多感な頃の風景が同化して、自分の心のアルバムが映し出され、懐かしの歌や社会の出来事がすぐそばにあるようです。
人生の後半になり、その時代の人と巡り会い語り合うことは、単なる思い出話だけでなく、何かを超越した新しい結びつきが生まれるのだということは、この年になればよくわかります。
この本は、今の自分の在り方を、郷愁とは違った視点でも思い起こさせてくれました。
有難うございました。