竹橋は快晴。気温は涼しく快適。目の前の婦人が地下鉄の出口を出ると日傘をさした。あぁ、漸く夏が来たんだ。一匹だけミンミン蝉が鳴いている。一番蝉だ。仲間はどうしたんだ、蝉さん。皆はまだ夏に気が付いてないのかな。
車中、一心不乱に”桜蘭”を読んできた。何話かに分かれているのだが、丁度”狼災記”が今朝だった。勝田台で座ってから竹橋に着く寸前まで、食い入るように読んでしまった。迫力あるな。不義の男女の愛なんだが、狼になって動物の愛を貫く様が伝わってくる。
この桜蘭、淡々とした表現の中に大きな人間ドラマを感じさせてくれる。先の”敦煌”とは全く異質のものだが、よくもこんなに色々な表現ができるものだ。