カメラ越し、ガラスに写る人影。風景だったのに、そこの空気が動き出す。誰かの休日のひとこま。想い出を見せてもらったような。どんなだった、楽しかった。その後どうした。


1000現在。上り電車が人身事故で止まっているという。よかった千葉駅に丁度着いた所で。
まずは駅前で珈琲と一服。何よりの寛ぎ。
昨日の、ノルウェイの森を見て、あの緑一杯の景色は何処で撮影されたものだろう。一度あの緑の中に埋れて見たい気分だ。そかしそれは今ではなく。
今は、ひたすら穏やかかな海を見て、白い砂浜に寝転びたい気持ちだ。


1150現在。
検診終了。5月のCT検査が決まった。相変わらず右胸の影が気になるという事。
いつも総会前の準備期間中にいろいろの症状が起きる。今年は無事に過ごせるといいのだが。
早いもので、もう二月。この四ヶ月もあっという間に過ぎ去ってしまうのだろう。


1715現在。
病院に行って帰ってくるだけでも疲れてしまった。家に着いてから一眠り。
明日からは、展示会の仕込みに追われるが、救われるのは、実務ではなくてコンセプトや見せ方の大掴みをつくる仕事なので、体力は消耗しない。ナレーション原稿は大詰めの最後の最後に集中すれば良い。
三月上旬までは、100m走のようなものだ。息を切らせないようにしなければ。


1740現在。
芥川賞受賞の田中慎弥さんの、共食い、を読了。貧困とともにある屈折した家庭環境の中で、淫乱な父親の血を引いていることを嫌悪しながらも、似た行動を自分に感じる恐怖との葛藤を描いた少年の物語だ。幼い頃に受けた性的な傷は一生修復できないものとなる。人が抱える野獣の心に己も胸が痛い。