風が強い。ヒューヒューと唸りをあげている。
バスから眺める街の様子が懐かしい。
今降りた子供達の髪の毛が逆立っている。
顔を見合わせて、笑いあっている。
バス停で自分も風に煽られていたので、窓に映る自分の頭を見た。
薄い頭の細い毛が、四方にとんがっている。
大昔に、放送局用の大きなモニターテレビの調整をするために、ブラウン管に近づいた時に、強い静電気で頭の毛が総立ちした時のようになっている。
慌ててなでつけるが、なかなか収まらない。

街の匂いがしてきた。
たった一週間いなかっただけなのに、懐かしい気持ちになっている。

昨夜は少し飲みすぎたようで、酔いさましに淀屋橋の近くを千鳥足で彷徨っていた。最近では、会社の人と滅多に人と飲むことをしなくなったな。面倒臭い話が嫌なんだねきっと。
今年も忘年会の誘いが多いが、仕事関係では重要なものしか出ないつもり。
もちろん大事な仲間とは楽しい時間を過ごすつもりだ。もうそんなわがままも許される歳だしね。来週はアメリカ帰りの戦友と懐かしい場所で飲むつもりなんだ。


旅の疲れで、今にも寝てしまいそうな、夕暮れの街。


1919現在。
目覚めた。頭が重い。
時々自分の鼾で目が覚めた。
胃も思い。
夕食後、再び寝ることにしよう。