きみの笑顔     作:西戸 崎(Saito Misaki)

何十年ぶりに パーティで会った。
懐かしかった。
きみは 眩しかったよ。
力みなぎり 自信にあふれていた。
俺は そんな友に 誇りを持っていた。


学生時代も つるんで遊んだものだが 再会してからは よく飲んだものだ。
互いに彼女を連れて 踊りにも行った。
俺達は 不細工な踊りだったが 相手はなかなかだったな。


ある日 暗い顔をした きみがいた。
力をなくした 瞳が そこにあった。
きみの 告白を聞いた。
絶望の 唇と指が 震えていた。




きみは 暗く沈んでいった。
辛いだろうな。
あんなに 眩しかったのに。
力みなぎり 自信にあふれてたのに。
人のさだめとは 辛いものだね。


大丈夫 俺は 一歩先に 患い きみを 励ますことができる。
絶望の淵は 覗いたつもりだ。
それから 毎週 三省堂の地下で 昼飯をともにした。


もう あの日から 2年になるんだな。
きみの 瞳に 光が見える。
きみの 笑顔が 嬉しいよ。
エエイ 牡蠣フライが しょっぱいぜ。

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