詩歌
1. ネジって知ってるかい 身の周りに幾つも使われてるあのネジのこと 一回しのピッチは小さいけれど 物と物をキュキュって合わせていく閉じていく 僕らの時計は毎日24回も回るけど 一年のピッチはあと50回も回れば社会人はもうお終いなんだ 早いのかはたまた…
お元気ですか。 歌の詰合せを贈ります。 楽しい時も悲しい時もあなたの励みになりますように。 季節折々の鳥があなたの声を伝えてくれるでしょう。 歌の詰合せ贈ります。 どうかお元気で。 お元気ですか。 夢の詰め合わせを贈ります。 どうぞお好きな夢を選…
梅が香り 桜が咲く季節まで 君と僕は 互いに向かい合い 選び選ばれる間柄だった 真剣だったね 大変だったね 記念すべき春なのに いったい自分の未来はどうなるんだろうと 思っただろう ようやく春が訪れて満開の花が咲く いまからここから 肩を並べて 共に前…
ふとしたことで 君と酒を酌み交わした 僕の手を見て 私は占えるの 人の未来が と言った どうなの僕の未来は と尋ねたら 君の顔が苦笑いしたね そして内緒と言った 僕たちは長く暮らしているけど 君は幸せだったんだろうか いまも答はくれない 苦笑いの謎のま…
鈍行電車を降り 佇めばそこはもう山里 木漏れ日を浴びて 目をつむれば 忘れていたあの日の歌が甦る 抱きしめた隙間から 君はすっと逃れた もっと追えばよかったのか いつか来た道 戻り道 風に舞う葉が 心模様。 いつか来た道 しっかりと手を繋いで 赤い屋根…
安心したよ 元気そうで ずっと想ってたんだ 君のこと 目の前に広がる大きな夢が 僕らの道を違えたけれど 充ち満ちた笑顔に 時は消え 握手した手が 大人になってた 忘れてなかったよ 君の顔 笑うと頬のえくぼが 蘇るね セピアに朽ちた卒業写真 彼の人の面影た…
誰かが言ったな 頭がよければ 知にまける 口が立てば 弁に負ける 文に秀でりゃ 論に負ける 立派な文句じゃないか 俺が言ったんだっけ そんなはずは無いなでも 人生そんなもんさ 気取ることはないさ ありのままに 率直に 生きていけばいいんだ。 誰かが言った…
何度 挫けただろう 何度 唇を咬んだろう。 仕切りを巡って 罵り合ったこともある。 待ち望んだ お前の創った ステージが いま始まる。 緊張に包まれていた 蒼い手が キューを振る。 スルスルと幕が上がり 大きな拍手が 袖に響き渡る。 お前の頬に 漸くの赤み…
おめでとう そしてありがとう 苦しみもあるだろう 楽しみもあるだろう 手を携えれば きっとうまくいくよ 君達はやっと サナギになったばかり 飛び立つのは まだまだ 昔の君達の影は 消えてしまった 3年後の自分を イメージして 夢羽ばたく その君達に アイタ…
さあ 助走はついた 蹴りだせ 大空に飛び出せ 飛べるかって もう飛んでいるじゃないか 頼りない操縦で グラグラしてるけど さあ 背負った荷物はすてろ 昨日までの過去は 遠い景色 目の眩む地上を見ろ 大地が吼えて 絶望と涙の中から 立ち上がる人がいる 翔 彰…
轟々という大地の揺れに続く大津波が 昨日までの団らんを 形もなく押し流し きょうからは 街の人と共に暮らす 家族を探し 魂は抜けがらとなって 身体横たえる 愛する人は 何処に 信じる人は 何処に 声を枯らし 歩きまわり 探し回る うねりの中に苦しさと恐怖…
冷たい風が 頬を凍らせ 目が滲む 水晶橋に佇むと 川面に映るネオンの光 怒涛のような 仕事と共に過ぎ去る きょうの終わり 締めくくる 溜め息が 輝く夜に 昇ってゆく 大きな声で ありがとうと 月に叫べば 足元で 小さな猫が応える 眼脂に 覆われた 小さな目の…
田園地帯を走る 京成成田空港行き 窓の外には 暗闇に点々と 淡く光る 街路灯 きょうの疲れに まどろみながら ふと見上げた窓の外に 大きな満月が どんなに走っても 一緒についてくる まるで絵のように 窓ガラスに張り付いて 僅かな酒と言葉に 打ちのめされて…
さあ 旅にでよう 一人ぽっちで 故郷を離れよう 後ろ髪など ひかれるもんか 見送りなんか いるもんか 過去は飛び去り 遥かかなた 流れる景色が 未来へ向かう 見知らぬ街に 胸はときめき 星はきらめく 街はざわめく 俺を迎えて 月が吠える 一人酒は 旅立ちへの…
苦労を掛けて ごめんね これからだねと 言ったばかりなのに 小さな庭も作って 綺麗だねと 微笑んでいたのに あなたが 今際の時に 震える指で書いた ありがとうの文字を 私は忘れられない いまでも 想い出せば 悔しくて いまの私は まだ 小さな幸せも 守るこ…
足早にやってきた 秋が 夏の想いを 洗い流すように 涼やかな風が 青空を従えている 墓標の前に祈れば 白い雲が 流れていく 西へと西へと 道しるべ そろそろ 帰っておいでよ 赤子の様な 気持ちになって 帰り道は 分かるだろ そろそろ 帰ろう 赤子の様な 気持…
雨よ降れ 風よ吹け 怒涛の嵐よ 我が心の澱を 拭い去れ さ迷える 足取りを 大地に 踏み縛れ いまを 凌げば 灼熱の日が 志を照らす 甦れば 道を拓け 突き進め 雨よ降れ 風よ吹け 魂が 震えるまで。 雨よ降れ 風よ吹け 天から降りる 火柱よ わが身を貫け 半端な…
お帰りなさい 私の心 気恥ずかしいけれど ただいま 何処に行ってたのか 知らん振りしてくれて ありがとう 私の心が揺れ続けて 信じる心が迷い続けて 確かな自分を 確かな気持ちを 探し続けた 長い時間 お帰りなさい 私の心 気恥ずかしいけれど ただいま よう…
(この作品は“吉田修一”さんの小説“パレード”をモチーフに創作したものです) ぎらぎら照りつける 太陽 この部屋に入ると 熱を失った 紅い気球 一緒に暮らす 僕ら つい先ほど前は 見も知らぬ 行き交う人 束縛もなく 詮索もなく 自由だ だが青春という 実感は…
初めて訪れた時は 暗く 汗に蒸せるジム。 黙々と励む部員の中に ヘラヘラとした あなたがいた。 スパーリングのブザーが鳴ると 豹の目に変わる あなたがいた。 カウンターなど 嫌いだと ファイトを挑んだ。 そんなあなたが 羨ましかった そして憧れた。 わた…
たった一夜の 出会いだけれど 俺のために 命を捨てた異国の女。 守ることも出来ず 不甲斐なさに泣いた。 粋がっていても 拳だけでは 守れないものがある。 愚連隊 俺達にも 誇りはある。 確かに 喧嘩は好きだったぜ。 筋はネェから 中途半端だけれど。 出入…
静かに 静かに 胡弓の音が 朽ちた街路を彷徨う。 戦乱の血は 砂塵に混じり 紫禁の空を 赤黒く染める。 虚城の中は、広大な言葉の嘘と真の織物。 私達が何かしたの 私達の国が あなたを穢したの。 なぜに なぜに貶められるだけなの。 だが心は穢せまい 民草の…
勇気を振り絞り 船を漕ぎ出す 暗い海に。 星を頼りに 櫂を握る。 いつか日が昇る いつか昇る日を 探しに。 風に揺れ 波にもまれ 大海に彷徨う。 心の頼りは 舫い綱。 いつか辿れば戻れる いつか戻れと辿られる。 日よ昇れ 我が身を照らせ 命尽きる前に。 日…
春の うららかな日。 それぞれに 巡り会えた 旅立ちの日。 瞳は燃え 頬は桜色に 染まっていた。 レールは ここで途絶えている。 きみ達の 新しい道は その手で切り開き 足で踏み固めよう。 自分探しなんて その汗が 笑うぜ。 昨日は 遥か昔 遠き彼方 忘れ去…
なんだか 自分の気持ちが 納まらず ガレージから引き出し 磨き始めた サビだらけのマシン。 赤茶けた オイルが おまえの涙。 可哀想に ボロボロに朽ち果てて。 惚れ込んで 飽きたら 捨て置くなんて。 中途半端な 俺が ここにもいた。 キックを踏めば 蘇える …
知っているかい 湖の向こうまで 歩いていけるんだよ。 いつでも会えるんだ その気になれば。 けれど 遠くへ旅立ち 会えないと思っているんだよね。 湖岸に咲く 雪に埋もれる 福寿草。 おまえは 凛々しく いつも向こう岸を 見て咲いている。 行く人も 来る人…
何度 挫けただろう 何度 唇を咬んだろう。 仕切りを巡って 罵り合ったこともある。 待ち望んだ お前の創った ステージが いま始まる。 緊張に包まれていた 蒼い手が キューを振る。 スルスルと幕が上がり 大きな拍手が 袖に響き渡る。 お前の頬に 漸くの赤み…
氷雨が 降る日。 古いジャンパーを着て 街に出た。 ポケットを まさぐると 古いテレフォンカード。 思い出が 甦る。 あいつとの デートの約束に よく使った。 何度電話しただろう 空振りの。 心は変わり 街は変わった。 何処で 寒さを 凌いでいるのだろうか…
何十年ぶりに パーティで会った。 懐かしかった。 きみは 眩しかったよ。 力みなぎり 自信にあふれていた。 俺は そんな友に 誇りを持っていた。 学生時代も つるんで遊んだものだが 再会してからは よく飲んだものだ。 互いに彼女を連れて 踊りにも行った。…