湖岸の野辺の花     作:西戸 崎(Saito Misaki)


知っているかい 湖の向こうまで 歩いていけるんだよ。
いつでも会えるんだ その気になれば。
けれど 遠くへ旅立ち 会えないと思っているんだよね。


湖岸に咲く 雪に埋もれる 福寿草
おまえは 凛々しく いつも向こう岸を 見て咲いている。


行く人も 来る人も 見守っている おまえ。
そんなに涙を こぼすなよ。
涙のしずくは 苦労の澱 想い出の鏡 喜びの種。


幸せを運ぶのが おまえの 役割だろう。
さぁ 涙を拭いて いつもの 笑顔で 仲間を迎えよう。




知っているだろう 想い出は 心の中に生きているって。
いつでも感じ取れるんだ その気になれば。
けれど ときどき 涙が突然 溢れ出るんだよね。


湖岸に咲く 雪に埋もれる 福寿草
おまえは いつも 誰のことを 想って咲いているんだい。


行く人も 来る人も 見守っている おまえ。
そんなに涙を こぼすなよ。
涙のしずくは 切なさの声 サライの光 友情の証。


幸せを運ぶのが おまえの 役割だろう。
さぁ 涙が枯れたら いつもの 輝く瞳に 戻ろうか。


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