猫のミーシャ     作:西戸 崎(Saito Misaki)


冷たい風が 頬を凍らせ 目が滲む
水晶橋に佇むと 川面に映るネオンの光
怒涛のような 仕事と共に過ぎ去る きょうの終わり 
締めくくる 溜め息が 輝く夜に 昇ってゆく


大きな声で ありがとうと 月に叫べば
足元で 小さな猫が応える
眼脂に 覆われた 小さな目の光 
尾を立てて ズボンに擦り寄ってくる


俺は旅人 お前をつれて帰る訳にいかない
抱き上げれば 小さな鼓動が 暖かく伝わってくる
風の吹かない 植木の陰に お前を下ろし
夜食に買った肉まんを プレゼントしよう


小さな声で お礼のつもりか ミーと鳴く
お前はミーシャ またあした。




喧騒は去り 眠りにつく街 お初通り
門の外から天神様に 手を合わせ 無事のお礼を
怒涛のような 仕事と共に過ぎ去る きょうの終わり
思い返せば 悔しさも 楽しさも 光り輝く


大きな声で ありがとうと 星に叫べば
どうやってきたのか ミーシャが応える
泥にまみれた 顔は 優しく
抱いてくれと ズボンに爪を立てる


俺は旅人 一緒に暮らすことができない
抱き上げれば 肩に上り 遅いじゃないかと泣く
人が入らない 壁の陰に お前を下ろし
かぶっていた帽子を プレゼントしよう


小さな口で お礼のつもりか 手を舐める
お前はミーシャ 幸運を!


Copyright © Saito Misaki.All Rights Reserved.


朝:鮭のスープご飯(最近のお気に入り)、豆、メカブのお味噌汁
昼:のぞみ車中でサンドイッチ
晩:生姜鍋+スイトン
もっぱら朝食が和食指向。