7.筆記具

昔は筆記具にこだわっていたが、いまは全くこだわることがない。と書けばあまりにも無愛想である。それこそ10年ほど前まではモンブランの万年筆やボールペンを持ち歩いていたが、背広を脱いだ時に落としたのか、どこかに置き忘れたのか、それとも仕舞い込んで不明となったのか、分からないままに現在に至っている。その実、万年筆で文字を書くのはハガキを書くときや署名するときに限られていた。万年筆は、極太ペン先のものを選んだので、文字を書くといつも掌を汚していたことを思い出す。


ーメモを取るのは必ず2色ボールペンを使う
もう鉛筆は使わないことに決めている。それは消すことが前提となっているからで、メモを取るときに決して消しゴムを使ったりはせず、書いた文字を線で消す様にしている。それは時間がもったいないからだ。その間メモを取り逸れることになる。と言うか、聞くことへの集中が薄れる。
2色ボールペンは、基本は黒で強調は赤としている。齋藤孝先生の勧める4色ボールペンはまだ使い分けできない。本は面白く読んだ。私の場合は握るグリップは太めが落ち着く。インクが滑らかに出る物を試し書きして複数本使っている。現在お気に入りを見つけ、胸ポケットに一本、会社に一本、自宅の机に一本、予備に一本とまとめ買いしている。勿論交換インクも多数用意している。


ー万年筆は儀式の様な道具に使う
高価な万年筆を失ってから、数千円の万年筆を使っている。結構書き味もよく気に入っている。中字用なのですぐに乾き手を汚すことは無くなった。
現在この万年筆は、文字を書くときの始まりの儀式用としている。ハガキや最近では滅多に書かない手紙は万年筆で書き、原稿の書き始めも必ず万年筆を使っている。原稿は、最初の10枚程度までが万年筆を使い、内容の方向が見えてきたところでワープロに切り替えている。


ーもっぱらの筆記用具といえばワープロタブレットである
もうワープロがない世界は考えられなくなっている。勿論ローマ字入力である。短文登録を多用して、入力効率を最大限に工夫して使っている。打法は、左右の一本指打法であるが短文登録の利用もあり、入力速度は自信を持っている。
iPadは移動先での筆記用具として使っている。しかし、ワープロiPadをメモを取る筆記用としては使うことはない。それはあくまでノートの役目と決めているからだ。


ー最近は音声入力も
昔からそうだが人のメモを清書することが多い。ある程度の文章としてメモ化されているので、いわば清書に近い作業と任じている。この清書、結構誤字脱字をしてしまうのである。淡々とした作業でもあることが起因しているのかもしれない。
そこである時、iPhoneで音声入力を試し始めた。この結果は上々で清書には音声入力と決めている。今使っているものは精々1分程度の音声を変換するにすぎないが、それを認めた上で区切って文章入力すれば良いだけのことだ。
使い方は簡単だ。音声認識アプリを立ち上げてiPhoneに向かって文章を読み上げるだけだ。これまでの試行では9割以上の変換率だと思っている。制限時間が来ると自動的に変換して終了となるが、その内容を自分宛にメール送信し、メールを開いてワードに貼り付けていけばそれだけで文章が完成していく。元のメモとの見合わせが必要となるが、自分が入力したよりは大胆な間違いとなっているので発見しやすい。
こう書くと効率が悪い様だが、次々に読み上げメール送信していくと、数ページのメモも僅かな時間で読み上げることができる。
私の場合は、ほぼ日常的に使っている。ただし、自分が考えながら作る文章では使っていない。待たせている様で気が急き、プレッシャーとなってしまうからだ。