8.書き貯めることこそ大事

当たり前の事で恐縮だが、一冊の本も1ページから最後のページまで内容が埋まっている。つまり全部の内容を自ら一人で書かねばならないのだ。こう考えると、とても書き終える想像がつかないかもしれない。しかし、この知の小道具の様に、毎日でも気が向いた都度でも書き貯めれば、その分量によるが50や100日もあれば一冊の分量は貯まってしまうのだ。結局、結論は、それだけの異なった視点の内容の数があるかによるわけだ。
数さえ書けば原稿になるという方法を記しておく。


ー先ずは書くことだ
1回当たり3枚でも4枚でも目安にしてひたすら書き進めることだ。出来が悪いや笑われそうだなんて気にする必要は全くない。そんなもんだ。じゃー、立ち止まって悩めば質の良いものができるかと言えば、出来やしないのだ。その程度に思って着手すればよい。


ー最初から50も項目が浮かばない、なんて関係がない
50や100の項目と先に書いたが、気にする必要はない。精々2つ3つ思い浮かべば始めてみることだ。2つ3つと進めているうちに、その中で深掘りしたいことも浮かんでくるでしょう。こなければ、そこで悩めばいいことだ。
この知の小道具も10項目程度は浮かんで始めたが、進めているうちに、あれもこれもと20くらいは頭に浮かんできた。その程度に考えれば良いのだ。かしこまって本など書けるはずもないのが、私の持論だ。


ー似た様なことでも新たな項目で書き始めよう
書いているうちに、このことは前に書いた項目にまとめるべきか、なんて悩むことも起ころう。今は今でそのまま書き進めれば良い。どうするかは、最後の編集段階で考えれば結論が出ることだ。今のうちから順序立てて整理がついた形で書き進めようと思のは書き進める邪魔になるだけだ。


ー行き詰まったら
どうにもこうにも新たしい項目が浮かばない、となったらあなたの知識がその事について枯渇したのかも知れない。その時はそのテーマについての類似の本でも読んで、一旦勉強してみれば良い。そして試してみれば良い。
若しくは、今まで書き進めてきた内容を見返しながら、さらに思いついたことを書き加えていけば良い。


ー必要なことはあなたのオリジナルであること
前項で、行き詰まったら、類似の勉強せよと書いたが、その本の内容を写せといってない。これは明らかに違反である。人がまとめた方法を一旦試して、自分なりに応用しさらに使い易くしたりオリジナルの新しい工夫を凝らせばそれはオリジナルである。
本は、どれにしても似た様なものだ。しかし、その著者でなければできないノウハウが例示されていれば、それがその著者の本の価値である。私が心がけるのは、解説するとともにオリジナルの活用法を加えることであり、本を表す意味を感じている。


ー本を書くことは簡単に着手できるが、生半可に終点は見えない
誰でも着手できそうに本稿を書いたが、つまりは、オリジナルな内容が無いと、あるいは素材が無いと完結できないことがお分かりだろう。
しかし、諦める必要は無い。誰しもが何かの専門性を持っているのだ。例えば生き方の一家言でも良い。
ここで伝えたいのは、この専門性にさらに向き合ってみませんか、ということである。知の小道具として道具を捉えているが、本当は道具ではなく、考える生活と言うのがテーマなんだ。
これまで約40冊の著書をしたためたが、実はみなこの様な方法で表してきた。出版の最大の難関は、出版社を見出すこと、企画書を通すことにある。しかし原点はオリジナルな内容そのものに尽きると言ってよい。


ー書き貯めるにはブログが一番
毎日少しずつ書き貯めるには、このはてなのようなブログが最適だと思っている。誰かが見ているかも知れないという緊張感も生まれるからだ。これが毎日ノートやワードに記していく活動であれば、ライターの様にそれが職業でもない限り難しいだろう。
ブログに書くことの課題は、それが既に公になっていると見做され、新規の出版物にはなりにくいということだろう。
しかし、Twitterでの小説が本になるなど、現在の多様性を考えると、あまり問題ではないと考えている。また、文学作品であればともかく、この知の小道具のようなブログの展開では図解もできず、また応用事例の全てを書くわけでもない。
どんどん公表されて行かれれば良いのではないだろうか。