沢木耕太郎氏

新しい本を借りてからもう1週間になるが,まだほとんど読み進めていない。ほかに優先的に読まなければならない仕事の本があるからだ。
しかし,沢木耕太郎氏の本を読んで,随分勉強をさせられた。決して身についたというわけではないが。ドキュメンタリーを読むのは初めての経験だが,彼の後書きによると,あるときドキュメンタリーを書くということの方法についてオリジナリティを見出した。と記述している。そこまで書く著者は少なく,感心する。してしまった。させられた。事実や歴史や推測の断片を,上手に構成するだけではなく,そこに自らをも参加させて語る方法だと思うが,それが彼の編み出した方法論ではなかろうか。いつの日か自分にもそんな日がやってくるのだろうか。この日記は,一日も休むことなく書き続ける一つの訓練だと思う。まだ日常のほんの少しの表象だけしか,書く力しかないが,継続は何かを発見させてくれるだろう。そんな思いがあります。まだ原稿用紙の封も切れていないのでありまする。