19.図に文章を付けていく方法

この方法は、私が最初に身につけた原稿を書く方法でした。雑誌の連載で毎号12ページを埋める原稿書きでしたが、初めて書く原稿としては私にとってはとてもとても重い分量でした。
内容はマイクロコンピュータの動作原理を初学者に分かり易く説明するというものでした。自ずと図解せねば収拾のつかない内容です。
私自身も初学者でしたから、自分のために図解をすることから始めました。図中にはコメントする言葉は必要ですが、動作のステップを説明するには図を分けて行けばいいわけです。
12ページと言うのは、文章で埋め尽くしようもない広大な面積でしたので、図を大きく書き、細かいステップで図を分けて行くことにしたのです。
結果は読者に好評で、一年の連載を四年続けることになりました。


ー図はイラストではない
私は絵が下手で、という方も多いでしょう。私は、いまもそう思っています。誰もイラストレーターである必要はありません。簡単な線画で動作や構造が分かればいいのです。深く考える必要もありません。最初に書いた図が分かりにくければさらに図解すればいいのです。
たった一つことを説明する図でも構わないのです。
とにかく説明したい、伝えたい内容の要点を何枚もの図で描いてみましょう。


ー図に説明を加えて行けば文書になる
描いた図の要点を簡単に説明して次の図につなげて行けば資料は出来上がります。分量が多くなりすぎたら、まとめやすい図同士を一枚にまとめることで大きく分量を減らすことができます。
この方法は、説明を分かり易く展開していくときに役立つ方法です。


マーケティング分析手法とキーワード図解
マーケティングや企画の本を見ていると分析手法の図やまとめの図が出てきます。私は、自分に役立つ図だと思うものは、都度その図をパワーポイントで書き起こしています。まとめ図集として名前を付けて溜めておくのです。例えば、SWOT分析、4P、3Cなどの表や図です。
私の場合は、一人ブレーンストーミングすることが多く、その時は既にご紹介したパワーポイントに思い浮かぶ言葉をひたすら打ち込みます。その言葉群を、まとめ図集から選び出した図に貼り付けて、一つ一つの言葉を、図の要素位置に移動させてまとめ上げていくのです。
私は、言葉を先に打ち出すことが多いのですが、調子が悪くてあまり言葉が生まれない時は、図の形を先に見ながら、当てはまる言葉を打ち込むという形ありきの方法も使います。図の形は、頭の中をある程度イメージ化してくれるもので発想の手掛かりとなることも多いのです。