透しレンズ     作:西戸 崎(Saito Misaki)


昨日までは ハッキリ見えていた あなたの気持ち。
けれど きょうは ぼやけて 霞んでいる。
まるで 遠い 遠い 山の向こう。
あなたの心が 何処にあるのか 知りたい わかりたい。


この眼鏡をかければ 見えるのだろうか 透しレンズ。
あなたの瞳の奥の 私の姿。
あなたのハートの中の 私の姿。


木っ端微塵に 打ち砕かれる。
太陽を見たときのように 網膜が焼ける。
だから怖くて 聞けない。
だから怖くて 告白できない。




あなたの気持ち ちゃんと分かっているよ。
あなたの心が 大きく揺らぎ 迷っているのを。
まるで 遠い 遠い 空の雲のように。
ゆられ ゆられて 流されていく 可愛い姿。


どんな眼鏡をかけても 透しレンズでも 見えないのさ。
わたしの瞳の奥の あなたの姿。
わたしのハートの中の あなたの姿。


怖がってないで 飛び込んで。
わたしを抱いて 焼き尽くして。
つかんでよ わたしの心。
告白するのが 遅いのさ。


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