泡     作:西戸 崎(Saito Misaki)

シャワーの泡が 身を包む。
ラベンダーが仄かに香る シャンプーが眼に沁みる。
白かった手足の指が 紅く染まる。
立ち昇る蒸気とともに 心の澱が飛んでいく。
窓に映る 青い空に 翼をつけて飛んでいく。
細やかな 小さな泡が プチプチと弾け
わたしの細胞に 溶け込んでいく。


さあ 朝が始まった。
昨日のことは もう遥か昔。
昨日 見た夢とともに 消え去った。
大きな背伸びをして 新しい自分に変身しよう。



シャワーの泡が 身を解す。
ベイFMが流すボサノバが 浴室を草原に変える。
白かった心の襞に 血が通う。
立ち昇る蒸気は 龍を 天に躍らせる。
窓の外に 小鳥が鳴き 風も踊る。
細やかな 小さな泡が パチパチと弾け。
わたしの体を 蘇えらせてくれる。


さあ 庭の花も咲き騒ぎ。
きょうの 景色を創りだす。
きょうの 夢の出会いを 予感させ。
大きな欠伸を一つして 大きな泡を送り出せ。

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16時現在。不覚にも泣いてしまった。
”父からの手紙”。単なるTVドラマなのに。ミステリーなのに。ポロポロと涙が止まらなかった。癌で余命を知った父親の犯罪なれど。心に思いを握り締めて、何も告げずに逝ってしまう姿は、辛いものがある。


18時15分現在。そして大慌て。
リーンと電話が鳴る。FAXがやってきた。見れば、昨夕にも仕事が来ていた。
早速キーマンにお詫びの連絡を入れる。
最近、仕事から帰ってきても、書斎に入ることはなく、リビングのマッサージ機の上で過ごし、眠くなると2階の寝室へ向かうだけの生活。いかんいかん。
明日でもいいよと、温かい言葉が返ってきたので安心したが、もう少し気を回してチェックが必要だね。休日の腑抜けさん。
本日はこれにて終了。


今日の閃きキーワード:レンズ、拡大鏡、泡