寒き一日 縮じこまって 活字読み 遠く時代の向こうに 夢を見て。

おはようございます。寒い寒い朝です。
7時起床。天気は曇り。目覚めは十分に寝て快調なれど左背中が痛い。咳も酷い。
きょうの予定は特になく、ひたすらに縮こまって引き籠っているのみ。
昨日の車中読書では”乾ルカ”さんの”夏光”を読了。暗く切ない短編集だった。またいつか乾ルカさんに接しようと思うが、いまは重い背中を解放させたい。そしてこの重い背中で仕事に対する厳しい局面を乗り越えたい。自分は、このような気持ちの時がいい決断ができると思っている。
明日からの遠出については何を友としようか。”百田尚樹”さんのハードカバーもあるし、一昨日買った芥川賞受賞2作品を収めた文芸春秋もあるし。
今回の遠出では、会社案内ビデオを仕上げること、展示会の内容を確定すること、学生さんを獲得すること、これからの難局についての筋道を立てることなど、様々な事が待ち構えている。


最近強く感じることは、難局の事態だからこそ訪れる、難しい仕事初めての仕事にたいして”忙しいから””やったことがないから””プロじゃないから””自信がないから”という弱々しい言葉を聞くことが多い。一方、即答で”やりましょう””分からないことは教えてください”という言葉を聞いたことがない。
これまでの自分の生き方からして、全く理解できない。
本当に嫌がっているのか、やることはやるんだけれど出来なかったことを考えて予防線を張っているのか。
仕事は、上に行けばいくほど新しい経験したことのない事態を克服し切り開いていくことになる。上に行けるかどうかは、そのステップで先のような保身を表すタイプか否かが問われる。もちろん保身のまま上に行けないこともない。しかし、その姿はなんとも情けない、皆が忌み嫌う逃げ足の速い上司の姿なんだ。
前にも言ったが、いつも自分の身の処し方、発言の内容を自問自答し自省していれば、かようなことは起こらない。自省があればいつも人の道の基準と照らし合わせているから。自省がなければ、いつも結果を振り返ることもなく、ひたすら思うがまま進むだけの我儘三昧でしかない。
自分に何人かの部下がいたとしたら、仕事の結果は問わない。即答で何の前提もつけないで”やりましょう”と応える部下が次を受け継ぐ人だと考えるだろう。
なぜなら、仕事を出す自分もその仕事を上から問われ、結果の責任は自分が取らねばならないからなんだ。つまり、自分と共に闘う姿勢を示した部下こそ戦地で戦う友であるからなんだ。その構造に誰も気がついていない。


13時現在。縮じこまって。
ずっと”百田尚樹”さんの”影法師”を読んでいる。武士の矜持の話だ。元来、武士の矜持は嫌いだった。この本で変わる予感がしている。しかし武士を取り囲む時代背景や置かれた環境は好きではない。
ちょっとだけ引用してみよう。
主人公が通い始めた道場主の言葉だ。
”誰でも命は惜しい。剣の戦いでは自分の命を失わずに勝ちたい。だが勝つためには、相手の剣の届くところに身を置かねば、自分の剣もまた届かない。つまり勝ちを得るためには、まず自分の命を投げ出すところから始めなければならない。それでないと勝つことはできぬ。不惜身命――剣の極意はそこにあるのではないか。武士が剣を修行するのは、その精神に到達するためだと思う。技の善し悪しは本道ではない。真に剣の道を極めた時、自ずと真の武士になっている”
この言葉の中に、仕事を置き換えてみると、大きな失敗することの躊躇いなど、乗り越えて踏み込む気持ちがなければ、何事にも勝算はないということだろ。不惜身命とは、”仏のためには命を惜しまず”という意味だが、命を惜しんでは結局命を失うということに解釈できる、武士の道なんだろう。
この本では、別のところで武士のあり方として次のような決まりごとがあったという。
どんな情況があっても、相手が剣を抜いて戦いを挑んでくれば、抜刀せず戦わずして逃げ出してはならない。それは”士道不覚悟”ということで切腹を命ぜられ、お家断絶になるという。
このすべてに賛成できるものではないが、”士道不覚悟”という言葉の意味はズンと来る。”仕事不覚悟”ということだろう。
仕事をするということの意味を考えさせられる。
仕事から逃げ出すべからず。仕事を逃げ出す人は、一番大事な時に自分からも、一番大事な守るべき者からも逃げ出すことになる。そんな覚悟のあり方を問うていると思う。
さて、自分はどうであろうか。・・・自省すると、またズンときた。


18時50分現在。
”影法師”を読了。百田尚樹さんの初期のころの作品であろうか。影法師となる必然性が強く伝わってこなかったな。もちろん物語の面白さは十分に感じることができたが、最後のクライマックスでは、号泣が伝わってこなかった。最後の証話は不要だったかもしれないな。初期作品と言うことで決着。
浅田次郎さんの作品には、読みたくもなかったというものもあるので、まあ許そう。


19時50分現在。
ずっと小説を読んでいたので目が疲れたな。明日は13時に大阪事務所着予定。だが雪による遅れは心配しておいた方が良いだろう。家を7時半頃出れば12時頃にはつくだろうか。
仕事はのぞみ車中にて。
MACを忘れないように。


20時40分現在。
さあ、もう休もう。明日も早いから。
おやすみなさい。