旅の忘れ物

旅に出た。慌しさに揺れる心を置いて旅に出た。
旅は私を癒すこともあれば真逆に疲れさせることもある。それは心と体力の掛け合わせだから。だから最近の私の旅は我儘である。
陽の光と緑と海に包まれたリゾートがいい。それでいて飽きた気分を満たす街の喧騒が欲しい。
そんな気分を満たす旅先は、まだ行ったことのないハワイだろうか。現実には、私は京都が好きだ。海こそないが清らかな川がある。温泉はないが、静寂と祈りが身を洗う。そのくせあらゆる年代の観光客と時の旅人に溢れている。そして静寂の隣に賑わいがある。不思議な街だと思う。
いくつもの寺社を巡り、一つ一つに祈りを込めて行く。すれば置いてきた忘れ物が、忘れ物でなく浄化されて陽に溶けていく。
そうだ京都 行こう。


◯、ある意味❌