27.Aチーム

これまでにまとめてきたことは、具体的な方法や、あるいは考え方でした。しかし、方法が知識として備わっても、考え方が理解できても、実践しないと、あるいは手を上げないと何も始まらないのです。
私は自分を奮い立たせるために、いつもAチームを自分の心の内外に持つことにしています。


ー避ければ遠ざかるアイデアの海
これまでに紹介した小道具達は、あくまで小道具であり大道具は自分で考えること以外にありません。考えることを避けていけば、よきアイデアも思いつくことはなく、また棚からぼた餅もありません。思いついたり降って湧くことは、意識下に考えている証左なのです。
ですから、避けたり逃げたりしないで、ぶつかって見て、時折息抜きしたりしてみれば、何かが生まれるかもしれません。
これらの方法は、使えば必ずアイデアが生まれるなんて保証はありません。確率が高くなることはあるでしょうが。
また生まれるアイデアも、自らに都合の良いものとは限りません。真逆のこともあるでしょう。思考の力は、右にも左にも上下にも視野を拡大させてくれるものです。


ーあなたにAチームはあるか
Aチームとは、あなたが率いるあなたのために集うチームです。私にとっては戦友です。
人間、一人でできることは限られています。思考についても全く同様です。人の頭も借りて、自らも考えて戦略を練るのです。
私は社会に出てから、都度都度に支えてくれたAチームがあります。自分の環境変化に伴って、5組のチームがありました。そして現在も存続し一緒に仕事をしています。
自らが率いるとは言っても、そこは運命共同体として、自らの利益のみに機能するものではなく、メンバーのためにも尽くすことは当然です。
私には、私が率いるAチームと私が参加するAチームがあります。
参加するAチームは、尊敬する人がリーダーです。
恵まれたことに、私には尊敬する上司が何人かいて、いつもどうしてこんな発想が生まれて来るのだろう、と刺激を与え続けてくれるのです。このリーダーのためには、いつも先回りして情報や資料、そしてアイデアを届けようと思って行動しています。それはリーダーの元のAチームが何とか成功し、また新しい目標に向かって共に進んで行けるようにと、そしてそれが自分の共同体であると強く思っているからです、
次に、私が率いるAチームには、私の発想のユニークさや行動力に惹かれて集うメンバーばかりです。つまり、いつもその後ろ姿を見せなければなりません。しかし私にはもう一つの想いがあります。集ってくれるメンバーには私はスーパーマンでパーフェクトでなくても良いのです。ただ一つだけ、際立ってユニークな力さえあれば良いという思いです。
私の場合は、着想力でしょうか。恩師や父親から受け継いだものです。その他は凡人あるいはそれ以下です。メンバーにとっては、一点を除いて頼りないリーダーを何とか助けてあげたいと思ってくれるのでしょう。いつも先回りしてサポートしてくれます。ですから、全てはチームの成果であります。
多くの本をしたためてきましたが、、都度協力してくれたメンバーは全て共著者に揚げています。


ー想い想われ
私が大事にしていることは、いつも参加するAチームと率いるAチームの両方を持つことです。自分のAチームを持てば、先回りして提案してくれる有り難みが分かり、率いるリーダーの役割と自覚並びに自分の不足が分かる。
同時に、これは参加するAチームのリーダーへ何を貢献すれば良いかの力となる。繰り返すようだが、率いるAチームは、自己の意識がリーダーを任じているが、参加するAチームは自分が参加していると思っているだけで、リーダーにとってチームという意識があるかは問うてはいない。